【空室ゼロ】グループホーム利用者集客|相談支援員から選ばれる5ステップ

【空室ゼロ】グループホーム利用者集客|相談支援員から選ばれる5ステップ

公開日: 2026-07-30 / 更新日: 2026-07-30 / 著者: 杉本 悠飛 (株式会社フェアテクノロジーズ 取締役・株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者) / 想定読了時間: 約15〜20分

対象読者: 共同生活援助 (GH) 事業所の経営者・管理者・サービス管理責任者

この記事のポイント

  • GHの利用者集客は 広告で集めるモデルではなく、地域の相談支援員から「想起され・紹介される」モデル です。広告ゼロでも満室化は十分に可能で、本質は「認知 → 想起 → 紹介」の3ステップ設計にあります。
  • 5つのチャネル (相談支援事業所・行政・医療機関・特別支援学校・家族直接) のうち、最初の月に通うべきは 「重要×近い」象限の3つ に絞り込むのが鉄則。全方位は1か月で疲弊します。
  • 紹介を入居まで結びつける鍵は、見学→入居の5ステップ品質設計 (問い合わせ24時間以内折り返し・3者同席見学・体験中の食事共有・契約前面談・入居初日のスケジュール) を A4一枚で標準化すること。本記事では、半年で空室4部屋を満室にした仮想GH「東町ハウス」の事例とともに、明日から動ける5ステップを解説します。

1. GH集客の本質 ─ 広告ではなく地域ネットワーク

GH (共同生活援助) の利用者集客は、広告で集めるモデルではなく「地域の相談支援員に想起され、紹介してもらう」モデルです。

利用者さんがGHを利用するまでの導線を分解すると、本人や家族が広告を見て直接申し込むケースは少数派です。多くの場合、市町村への相談 → 計画相談支援 (相談支援事業所) → サービス等利用計画案 → 支給決定 → GH選定、というプロセスをたどります。広告がどれだけ目立っても、この導線のどこかで相談支援員と接点を持つため、相談支援員の頭の中に「この事業所」が浮かばない限り紹介には至りません

仮想GH「東町ハウス」の事例 ─ 広告ゼロで満室化した半年

架空事例 ─ 以下に登場する「東町ハウス」「みらいGH」「セカンドハウス葵」「青空ホーム」は、すべて実在の事業所ではなく、業界実務の感覚値を素材に構成した 架空の事業所 です。実際の最適運用は地域特性・他事業所数・自事業所の支援体制により変動します。

県北部の住宅街にある仮想事業所「東町ハウス」(定員5名・運営4年目) は、半年前まで5部屋のうち4部屋が空いていました。地域情報誌に月10万円の広告を3か月続けても、応募はゼロ・問い合わせも1件もない状態でした。

管理者が近所の相談支援員と話す機会があった時、返ってきた答えはこうでした。

「広告、見たことないですよ。私たち、ネットや雑誌じゃなくて、お互いの口コミと、自分の足で集めた事業所情報で動いてます」

管理者は翌週から、地域の相談支援事業所をリストを片手に1軒ずつ訪問し始めました。最初の月で5軒、挨拶だけ・資料を置いて帰るだけ。その月のうちに3件の見学申込が入り、半年後には空室ゼロ・広告予算ゼロを実現 しました。

GH集客の3ステップ ─ 認知 → 想起 → 紹介

東町ハウスの動きには、シンプルな構造があります。GH集客は以下の3ステップで進みます。

ステップ 意味 効果的なアクション例
① 認知 事業所の名前と特徴を、地域の相談支援員に知ってもらう 挨拶訪問・パンフレット配布・自立支援協議会への顔出し
② 想起 利用者さんの相談が来た時に、相談支援員が「あの事業所」を思い出してくれる 月次の空き状況メール・地域勉強会の主催/参加・SNSでなく対面の積み重ね
③ 紹介 思い出した上で、利用者本人や家族に勧めてくれる モニタリング訪問の同席・対応可能ケースの明示・受けられないケースを他事業所に繋ぐ姿勢

広告はたいてい「認知」の手前で止まります。利用者本人に広告を届けても、その方は支給決定の前に必ず相談支援員と会う。広告の記憶は、そこで上書きされます。

自己診断 ─ 3ステップのどこで詰まっているか

自事業所がどの段階で詰まっているかを次の3問で診断してください。

  1. 認知: 地域の相談支援員、何人があなたの事業所名を即答できますか?
  2. 想起: 直近3か月で、相談支援員から問い合わせは何件来ましたか?
  3. 紹介: その問い合わせのうち、見学につながったのは何件ですか?

答えが出にくい段階こそ、「認知」からのやり直しが必要です。


2. GH集客の5本の主要チャネル

GH集客のチャネルは、相談支援事業所・行政・医療機関・特別支援学校・家族からの直接相談の5つに整理できます。「全部やる」は1か月で疲弊します。「重要度 × アクセス難易度」の4象限で絞り込むのが鉄則です。

5つのチャネルの位置づけ

チャネル 紹介の重要度 アクセスのしやすさ 関係構築の時間軸
① 相談支援事業所 最重要 非常に高い 近い (市町村内に複数) 今月から (週次の挨拶訪問)
② 行政・市町村窓口 高い 近い (1か所) 今月から (障害福祉課への定期挨拶)
③ 医療機関・病院 高い やや遠い 3か月後から (PSWとの信頼形成に時間が必要)
④ 特別支援学校・支援学級 高い (時期が限定的) やや遠い 進路指導の時期を狙う・年単位の関係構築
⑤ 家族・本人からの直接相談 動線整備だけで足りる ホームページ問い合わせフォームの整備

「全部やる」が失敗する典型 ─ 仮想GH「みらいGH」のケース

中核市の郊外にある仮想事業所「みらいGH」(定員6名・運営2年目) の管理者は、空室3部屋を埋めるため、ある月に「地域の集客チャネル全部当たろう」と決めました。

  • 月曜: 相談支援事業所5軒に電話
  • 火曜: 市役所障害福祉課に挨拶
  • 水曜: 精神科病院のPSWに挨拶
  • 木曜: 特別支援学校に進路の話を聞きに
  • 金曜: 事業所ホームページのリニューアル
  • 土曜: 問い合わせフォーム設定
  • 日曜: 資料の作り直し

4週間続けた結果、どこからも明確な反応なし。スタッフは疲弊し、管理者自身もシフトに穴を空けがちになりました。最大の問題は「何が効いて、何が効いていないのか、まったく分からない」ことでした。

「重要度 × アクセス難易度」の4象限マップ

みらいGHを救ったのは、ホワイトボードに2本の線を引くだけのシンプルなフレームでした。

近い (今すぐ会いに行ける) 遠い (時間がかかる)
重要度: 高 右上 (今月から): 相談支援事業所・市町村障害福祉課 右下 (3か月後から): 医療機関PSW・特別支援学校
重要度: 中〜低 左上 (半年で関わる): 自立支援協議会 左下 (動線整備): 家族からの直接問い合わせ

最初の月に通うのは、右上の3つ (相談支援事業所2社+市町村窓口1か所) のみ。みらいGHはこの3つだけに3か月通った結果、紹介の声がかかるようになりました

5つ全部に1回ずつ通うより、2つに5回ずつ通う方が、紹介は10倍動きます。「全部やらない勇気」がGH集客の最初の意思決定です。

参考データ: 全国の指定特定・指定障害児相談支援事業所は12,324事業所、相談支援専門員は28,661人 (令和6年4月時点・厚生労働省「障害者相談支援事業の実施状況等について (令和6年調査)」)。市町村単位でも数軒〜十数軒は存在するため、最初の月から手を打てる「数」は確実にあります。


3. 相談支援員との関係構築 ─ 3つの顔 (最重要)

相談支援員との関係構築には「営業の顔・同志の顔・相談相手の顔」の3つを使い分ける必要があります。営業の顔だけで通い続けると、ほぼ確実に距離を置かれます。

仮想GH「セカンドハウス葵」の逆転劇

都市部の駅近にある仮想事業所「セカンドハウス葵」(定員4名・運営3年目) の管理者は、空室2部屋を埋めようと、近隣10軒の相談支援事業所に挨拶に出ました。持参したのは新しいパンフレット。

「うちは夜間支援が手厚くて、強度行動障がいの方も受け入れられて、医療連携も整っていて、看取りまで対応できて…」

2か月続けて、紹介はゼロ。それどころか、ある相談支援員から 「ちょっと最近お話、長いんで…」とやんわり言われる ところまで関係が悪化しました。

転機は、ある相談支援員からの1本の電話でした。

「重度の身体障がいで、夜間吸引が必要な方がいて、どうしても受け入れ先が見つからない。葵さんで何かアイデアないですか」

セカンドハウス葵では受けられないケースでした。それでも管理者は知り合いを2軒思い出し、その場で繋ぎました。1週間後、その相談支援員から、別の利用者さんの紹介 が入りました。

「売り込み」ではなく「一緒に困りごとを解く相手」として動いた瞬間に、関係が変わったのです。半年後、紹介数は3倍になりました。

3つの顔の使い分け

内容 使う場面 配分の目安
① 営業の顔 事業所の強み・空き状況・受け入れ可能な利用者像を伝える 初対面・新規パンフレット差し替え時 3割
② 同志の顔 地域全体の課題を一緒に考える。協議会の部会・勉強会・行政会議に出る 月次レベル・継続的な接点 4割
③ 相談相手の顔 「うちでは受けられないけど、こういう事業所がある」と他事業所へ紹介する 困った相談が来た時に全力で 困った時は100%

3つ目の「相談相手の顔」が一番大事です。困った時に呼んでもらえる相手になることが、長期的な紹介の源泉になります。

関係構築の時間軸 ─ 最初の一歩・月次・年間

  • 最初の1か月: 「重要×近い」象限の事業所リスト作成 (10-20軒)・週1-2軒の挨拶訪問・パンフレット&名刺&空き状況一覧の3点セット持参
  • 月次のリズム: 月1の空き状況メール (3行で十分)・自立支援協議会の部会出席・モニタリング訪問100%同席・新規挨拶月3軒
  • 年間の動き: 自立支援協議会への正式参加・地域勉強会の主催/共催・年1回の事業所紹介イベントへの参加・年度初め (4月)・進路時期 (秋〜冬) のフォロー

自己診断 ─ あなたは今、どの顔で接していますか?

  1. 直近1か月、相談支援員と話した内容の8割は「自事業所の話」になっていませんか?
  2. 自分の事業所では受けられないケースで、他事業所を紹介したことがありますか?
  3. 地域の自立支援協議会に、自分の名前で席がありますか?

4. 見学→入居の5ステップ品質設計

紹介を受けた後の「問い合わせ → 見学 → 体験 → 契約 → 入居」の5ステップに、それぞれ合否ポイントを設けて A4一枚に標準化する必要があります。たった数日の動きの差で、入居の結果が180度変わります。

仮想GH「青空ホーム」と「ひなたGH」の分かれ道

【失敗事例】青空ホーム (県南の町・定員5名・運営5年目)

月曜午後、相談支援員から問い合わせ電話が入りました。担当の管理者は会議中で電話に出られず、留守電が残された。折り返し方針は決まっておらず、代表電話への転送設定もなし。スタッフは「管理者が戻ったら伝える」と判断しました。

管理者が留守電に気づいたのは火曜の夕方、折り返したのは木曜の朝。相談支援員の返答はこうでした。

「すみません、別事業所さんで決まりました」

3日の遅れで、1件の入居機会が消えました

【成功事例】ひなたGH (隣県のベッドタウン・定員6名・運営3年目)

同じく男性の入居検討で、体験利用1泊2日を受け入れました。管理者は 体験初日の昼食を本人と一緒に取り、スタッフ全員の名前を覚えてもらい、食堂で他の入居者さんとも自然に話す時間を作りました。

夕方、ご家族が見学に来られた時、本人がリビングのソファでくつろいでいる姿を見て、ご家族は 「ここでの暮らしが具体的にイメージできました」と即決 しました。

5ステップ品質設計 (A4一枚にまとめる)

ステップ 合否ポイント 仕組み化のヒント
① 問い合わせ受付 24時間以内に折り返したか 電話転送・自動応答メッセージ・代表メールの即時通知設定。「管理者不在=折り返し不可」の運用は禁止
② 見学 本人・家族・相談支援員の 3者同席 で見学できたか 1人ずつ別の日に見せると伝言ゲームで情報が劣化する。日程調整は「3者同席を前提」に立てる
③ 体験利用 (1泊2日〜数日) 食事の時間を共にしたか 生活の雰囲気は施設見学では伝わらない。食事の時間でだけ伝わる。リビング・食堂での自然な滞在時間を確保
④ 契約・入居前面談 本人の希望を 1つひとつ確認 したか 読み上げる契約と、対話する契約は別物。質問リストを事前に用意し、本人が回答する時間を取る
⑤ 入居 (初日) 初日の 午前と午後のスケジュール が用意されているか 「自由に過ごしてください」が一番不安。最初の食事・スタッフ紹介・部屋の使い方説明をタイムテーブル化

自己診断 ─ 5ステップの仕組みは整っていますか

1つでも欠けていれば、そこが今の弱点です。


5. 半年で変える「3KPI×3アクション」

5本のシリーズで学んだフレームを行動に落とすには、「3つのKPI×3つのアクション」のマトリクスで毎月のリズムを作るのが最短ルートです。

東町ハウスの半年後 ─ 比較表

第1章でご紹介した東町ハウスは、半年後にこう変わりました。

項目 半年前 半年後
空室 4部屋 ゼロ
広告費 月10万円 ゼロ
顔の見える相談支援員 2名 10名
月の紹介件数 ゼロ 2件 (安定)

派手なことは一つもしていません。だが、半年で景色が変わりました。

追いかけた3つのKPI

KPI 何を測るか 標準値の目安
① 月の挨拶訪問件数 地域の認知を作る指標 最初の月5件 → 3か月目10件 → 半年でカバー完了
② 月の空き状況メール送信件数 想起を作る指標 月1回・関係ができた相談支援員全員に・3行で十分
③ モニタリング訪問の同席率 紹介の質を上げる指標 受け入れた利用者さんのモニタリングには100%同席

毎月のリズムに組み込む3つのアクション

アクション 頻度 連動するフレーム
① 新規挨拶訪問 月3軒 第2章の4象限で右上に置いた事業所から優先
② 月次共有メール 月1回 第3章の「同志の顔」「相談相手の顔」を意識した文面
③ 自立支援協議会の部会出席 月1回 第3章の「同志の顔」の本丸

紹介が来た時の動きは、第4章の5ステップを守ります。

3KPI × 3アクション マトリクス

新規挨拶訪問 月次共有メール 協議会出席
挨拶訪問件数 KPI
空き状況メール送信 KPI
モニタリング同席率 KPI ◎ (協議会で関係深化)

半年後に景色が変わる事業所は、決まってこのマトリクスを動かしています。今月のカレンダーに3つのアクションを書き込み、半年後に振り返る日付を決めるところから始めてください。


6. GH特有の事情 ─ 集客を考える前提知識

GHの集客戦略は、サービス種別 (3類型)・物件規模・人員配置・個別支援計画との連動という固有事情を踏まえて設計する必要があります。「うちは何を強みに紹介してほしいか」の言語化が、相談支援員への伝わりやすさを大きく左右します。

共同生活援助の3類型

GHは、夜間支援の体制によって3つの類型に分かれます。相談支援員に伝える時はこの分類を明確にしましょう。

類型 特徴 想定される利用者像
介護サービス包括型 事業所が直接、生活支援員を配置して介護を提供 一定の介護ニーズがあり、事業所内で完結したい方
日中サービス支援型 24時間体制で介護を提供 (重度者対応) 重度の障がいがあり、日中も常時支援が必要な方
外部サービス利用型 介護は外部の居宅介護事業所等と契約 軽度〜中度で、外部サービスと組み合わせたい方

(出典: 厚生労働省 障害福祉サービス等の体系)

物件規模・定員設計

GHの定員は 原則4人以上10人以下 (新築の場合は基本7人以下) と定められています。1ユニットあたりの定員制限・サテライト型住居の活用可否など、物件の選定は集客以前の前提条件として確認が必要です。

(出典: 厚生労働省 共同生活援助の指定基準)

世話人・生活支援員の配置

  • 世話人: 食事の提供・健康管理・金銭管理の支援等を行う。配置基準は障害支援区分に応じて変動 (例: 区分3〜6なら4:1〜6:1)
  • 生活支援員: 介護を行う。介護サービス包括型・日中サービス支援型に必須

相談支援員への訴求では、「世話人/生活支援員の配置が手厚い」だけでなく、「どんな支援が日常的にあるか」を 具体的な1日のタイムライン で示すと伝わりやすくなります。

個別支援計画との連動

GHでもサビ管が個別支援計画を作成し、6か月ごとのモニタリングが必要です。相談支援員が作るサービス等利用計画と、事業所が作る個別支援計画は 役割が別。サービス担当者会議でこの連動を丁寧に進める事業所は、相談支援員からの信頼が厚くなります。


7. GH集客で陥りやすい3つの失敗

「広告偏重」「相談支援員を営業先扱い」「見学→入居の設計欠如」が3大失敗です。いずれも、東町ハウス・セカンドハウス葵・青空ホームの物語と重なります。

失敗① 広告に頼りすぎる

  • 地域情報誌・ポータルサイト・SNS広告にお金を投下するが、応募ゼロ・問い合わせゼロが続く
  • 原因: 利用者本人や家族は支給決定の前に必ず相談支援員と会うため、広告の記憶はそこで上書きされる
  • 対策: 広告予算を、相談支援員への挨拶訪問の交通費・パンフレット改訂費・自立支援協議会への参加コストに振り向ける

失敗② 相談支援員を「営業先」として見る

  • パンフレットを押し付け、「うちの強みは」を一方通行で語る
  • 結果、相談支援員に距離を置かれ、紹介がゼロになる
  • 対策: 第3章の「3つの顔」を意識する。特に「相談相手の顔」(受けられないケースを他事業所に繋ぐ) を出せると関係が変わる

失敗③ 見学から入居までの設計がない

  • 紹介が来ても、24時間以内の折り返しができていない・体験中に本人と接点を持たない・入居初日のスケジュールがない
  • 結果、紹介から入居までの離脱率が高くなる
  • 対策: 第4章の5ステップを A4一枚にまとめ、スタッフ全員が同じ品質で動けるようにする

8. 効率化のヒント ─ 学習を仕組み化する

GH集客のフレームは「現場運営の片手間で覚える」には情報量が多すぎます。スタッフ全員で短時間動画を回し、月次の運営会議で進捗を共有する「学習の仕組み化」が、結局のところ最短ルートです。

ここまでで紹介した「3ステップ・4象限・3つの顔・5ステップ品質設計・3KPI×3アクション」の5つのフレームは、一度に全部を覚える必要はありません。月次の運営会議で1フレームずつ取り上げ、スタッフ全員で自事業所のアクションシートに落とし込み、翌月に進捗を共有する ─ という運用が、結局のところ最短ルートです。


FAQ

Q1. GHの定員は何人が標準ですか?

A. GHの定員は原則4人以上10人以下と定められており、新築の場合は基本7人以下が標準です。1ユニットあたりの定員制限もあるため、物件選定の段階で都道府県・市町村の指定基準を確認する必要があります。なお、サテライト型住居 (本体住居から概ね20分以内) を併設することで、定員設計を柔軟にする選択肢もあります。

Q2. 相談支援員に挨拶するベストな時期はいつですか?

A. 「思い立った時が最適」が結論です。年度初め (4月)・進路時期 (秋〜冬) はやや動きが集中しますが、それ以外の月でも問題ありません。重要なのはタイミングよりも頻度で、月1-2回の挨拶訪問を半年継続するだけで、地域の主要な相談支援事業所をほぼカバーできます。最初は「挨拶だけ・資料を置いて帰るだけ」で十分です。

Q3. 体験入居の標準的な期間はどれくらいですか?

A. 1泊2日から数日が一般的です。生活の雰囲気は施設見学では伝わらないため、最低1回は食事の時間を共にすることをおすすめします。重度の障がいがある方や、環境変化に時間がかかる方には、複数回に分けて段階的に滞在時間を延ばすケースもあります。期間設定は、本人・家族・相談支援員と相談の上で柔軟に。

Q4. GHの空室期間はどう短縮できますか?

A. 空室期間短縮の鍵は「問い合わせから24時間以内の折り返し」と「3者同席見学の即時提案」の2つです。多くの事業所では、問い合わせから入居決定までに平均1〜3か月かかりますが、初動の3日間で対応の差が大きく出ます。電話転送・自動応答メッセージ・代表メールの即時通知設定など、人に依存しない仕組み化が効果的です。

Q5. 介護サービス包括型と外部サービス利用型の違いは何ですか?

A. 介護を「事業所が直接提供する」か「外部の居宅介護事業所等と契約する」かが大きな違いです。介護サービス包括型は事業所内で完結し一体的な支援が可能ですが、人員配置のコストがかかります。外部サービス利用型は柔軟性が高く軽度〜中度の方に向いていますが、外部事業所との連携体制が必須です。重度者対応に特化する場合は「日中サービス支援型」(24時間体制) という選択肢もあります。

Q6. 自立支援協議会には参加すべきですか?

A. はい、強く推奨します。自立支援協議会の部会出席は、第3章の「同志の顔」を地域に示す最も効率的な場です。月1回の出席で、相談支援員・行政・他事業所の管理者と継続的に顔を合わせる接点が生まれ、紹介の土壌になります。「ただ座って聞くだけ」から始めても十分。発言や役職は半年〜1年かけて積み上げるイメージで構いません。

Q7. SNSや広告は本当に意味がないのですか?

A. 「意味がない」のではなく、「単独では成果が出にくい」が正確です。家族が「事業所名で検索 → ホームページを確認」する動線は確実に存在するため、最低限のホームページと問い合わせフォームは必要です。ただし、月10万円以上の広告予算をSNSや情報誌に投下するよりも、その予算を相談支援員への挨拶訪問の交通費・パンフレット改訂・自立支援協議会への参加コストに振り向ける方が、半年スパンでの紹介数に直結します。


まとめ

  • GH集客の本質は 「認知 → 想起 → 紹介」の3ステップ。広告は「認知」の手前で止まりやすく、利用者本人より相談支援員に届くことが重要。
  • 5つのチャネルは 「重要度 × アクセス難易度」の4象限 で絞り込む。最初の月に通うのは右上 (相談支援事業所・市町村窓口) の3つ。
  • 相談支援員との関係構築は 「営業の顔・同志の顔・相談相手の顔」 の使い分け。「相談相手の顔」が紹介の長期的な源泉。
  • 紹介から入居までは 5ステップ品質設計 (24時間以内折り返し・3者同席見学・食事を共にする体験・対話する契約・初日のスケジュール) を A4一枚で標準化。
  • 半年で景色を変えるには 3KPI × 3アクション マトリクス (挨拶訪問・空き状況メール・協議会出席) を毎月のリズムに組み込む。
  • GH特有の3類型・物件規模・人員配置・個別支援計画との連動を踏まえて、自事業所の強みを言語化する。
  • 3大失敗 = 広告偏重・相談支援員を営業先扱い・見学→入居の設計欠如。仮想GH「東町ハウス」「セカンドハウス葵」「青空ホーム」の物語が、すべての失敗パターンの教材になる。

「明日から動ける」のがGH集客の良いところです。まずは地域の相談支援事業所リスト作成と、来月のカレンダーに「挨拶訪問月3軒・空き状況メール月1回・協議会出席月1回」を書き込むことから始めてみてください。


関連記事


参考文献

本記事の内容は2026年6月時点の公表情報に基づきます。最新の法令・告示・自治体運用については厚生労働省および所管自治体の公式情報をご確認ください。GH指定基準・人員配置・サテライト型住居の運用等は自治体ごとに細部が異なる場合があります。個別の指定手続き・運営判断は、所管自治体および行政書士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。


著者プロフィール

杉本 悠飛 (Yuhi Sugimoto)

株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / 株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者

障がい福祉特化の動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げ、累計1,000社以上への導入を支援。株式会社テクキャリ(就労継続支援A型事業所)の取締役として、サビ管配置・個別支援計画作成・モニタリング・運営指導対応の実務知見を持つ。


「選ばれる事業所」づくりを、現場の学びから

本記事でご紹介した利用者集客のフレームは、管理者ひとりの知識にとどめず、見学や体験入居に関わるスタッフ全員の共通言語にすることで初めて機能します。月次の運営会議とあわせて、継続的に学び、同じ品質で動ける仕組みを整えてみてください。

障がい福祉に特化した動画研修サービス

ウェルビーラーニング

  • 1本約5分の動画。スマートフォンで、業務の合間に無理なく学べます
  • 虐待防止・身体拘束適正化などの法定研修に対応
  • 受講履歴が自動で残り、運営指導の証跡づくりにも役立ちます
  • 累計1,000社以上の障がい福祉事業所さまに導入いただいています

サービス内容や料金がわかる資料をご用意しています。まずはお気軽にご覧ください。

資料請求はこちら (無料)

GHの利用者集客や、現場研修の仕組みづくりに関する無料相談 (オンライン15分) も、同じフォームからお申し込みいただけます。