
公開日: 2026-08-24 / 更新日: 2026-08-24 / 著者: 杉本 悠飛 (株式会社フェアテクノロジーズ 取締役・株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者) / 想定読了時間: 約8分
対象読者: 就労継続支援A型の管理者・サービス管理責任者・利用者集客担当者
この記事のポイント
- 就労継続支援A型の利用者集客で、ハローワークの専門援助部門は広告費をかけずに求職者へ情報を届けられるチャネルの1つです。
- 通常窓口ではなく「専門援助部門(障がい者専門窓口)」を使い、担当者と顔の見える関係を作ることが大切です。
- 求人票は「仕事内容を具体的に」「事業所の画像を登録する」「賃金を明示する」の3点を押さえます。
1. ハローワーク専門援助部門とは
ハローワーク(公共職業安定所)の専門援助部門は、障がいのある方などの就職を支援する専門窓口です。
ハローワーク(公共職業安定所)には、一般窓口とは別に「専門援助部門」という障がいのある方専門の窓口が設置されています。ここには障がい者雇用に詳しい職員(専門援助コーナー職員)が配置されており、就労継続支援A型などの福祉的就労を含めた紹介・相談を担当しています。
一般窓口との違い
| 項目 | 一般窓口 | 専門援助部門 |
|---|---|---|
| 対象求職者 | 一般求職者全般 | 障がいのある方・難病・引きこもり等 |
| 担当者の専門性 | 業界横断 | 障がい者雇用・福祉的就労に詳しい |
| 連携先 | 企業中心 | 福祉サービス事業所・支援機関含む |
| 求人票の取扱 | 一般求人 | 障がい者専用求人として別管理 |
A型事業所が一般窓口に求人を出すだけでは、希望する求職者とのマッチングにつながりにくい場合があります。専門援助部門経由で出すことで、「A型を探している障がいのある方」と「事業所」がつながりやすくなります。
A型の集客チャネル全体像(ハローワーク・基幹相談・SNS・LP)については、就労継続支援A型 利用者集客の完全ガイドで解説しています。
2. 訪問の流れ — 初回〜継続連携まで
事前準備、初回訪問、求人票登録、状況共有の順に進め、担当者との継続的な関係を作ります。
Step 1. 事前準備(訪問前)
- 事業所案内(A4・1〜2枚)を準備 — 所在地・対象とする障がい・定員・特徴・写真
- 求人票の下書き(仕事内容・勤務時間・賃金・休日)
- 法人パンフ(あれば)
- 名刺(管理者・サービス管理責任者・採用担当)
Step 2. 専門援助部門への初回訪問
- 事前に電話で「就労継続支援A型事業所として、専門援助部門のご担当の方とお話ししたい」と伝え、訪問アポイントを取ります(飛び込みではなく予約を推奨)。
- 事業所の特徴、受入可能な定員数・空き状況、賃金・勤務時間・休日、見学・体験利用の可否を伝えます。
Step 3. 求人票の登録
- 専門援助部門経由で求人票を登録します(障がい者専用求人として管理されます)。
- 求人票には有効期限があるため、期限を確認して定期的に更新します。
Step 4. 継続連携 — 定期的な状況共有
- 現在の空き状況・直近の見学者状況を電話またはメールで共有します。
- 紹介が来たら、その都度結果(見学有無・体験有無・利用開始有無)をフィードバックします。
Step 5. 信頼関係の構築 — 長期視点
担当職員に顔と名前を覚えてもらい、見学を受け入れた候補者の状況を報告します。継続的に情報を共有し、求職者の希望に合う事業所として思い出してもらえる関係を目指します。
3. 求人票の書き方 — 応募を検討しやすくする3つのコツ
求職者が仕事内容、職場の様子、賃金を具体的に理解できる求人票を作ります。
コツ1. 仕事内容を「動詞 + 物」で具体的に書く
NG例: 「軽作業全般」「事務作業」
OK例: 「動画編集ソフトでテロップを入れる」「ECサイトの商品を梱包・発送する」「Excelで顧客リストを整理する」
求職者は「自分にできそうか」を仕事内容で判断します。曖昧な表現を避け、実際の作業がイメージできるように書きます。
コツ2. 事業所の画像を登録する
ハローワークインターネットサービスでは、求人票に事業所の画像を登録できます(登録できる枚数・仕様は変更されることがあるため、最新の仕様はハローワークインターネットサービスの案内でご確認ください)。
掲載したい画像は、優先度が高い順に準備します。
- 作業風景(本人の顔は出さず、後ろ姿や手元を撮影)
- 事業所外観
- スタッフの写真
写真に人物が写る場合は、掲載前に本人の同意や事業所の個人情報取扱ルールを確認してください。
コツ3. 賃金を明示する(時給ベースで)
A型は雇用契約を結ぶため、原則として地域別最低賃金以上の賃金支払いが必要です。「時給◯◯円〜」を明示し、地域別最低賃金との差分を求職者が判断できるようにします。
最低賃金の減額の特例許可制度など個別の取扱いがあるため、詳細は所轄の労働局・労働基準監督署にご確認ください。
補足: 賃金以外の魅力ポイントも書く
- 通勤手当(実費支給か上限あり等)
- 食事提供の有無
- 制服貸与の有無
- 送迎の有無
- 賃金以外の手当(皆勤手当等)
FAQ
Q1. ハローワークに行く頻度はどれくらいが適切ですか?
A. 初回訪問後は、空き状況や見学者の状況に変化があったタイミングで共有します。電話やメールも使い、担当者が最新情報を確認できる状態を保ちます。
Q2. 専門援助部門の担当者が異動になった場合は?
A. 新担当者に改めて事業所案内を持参して挨拶します。引き継ぎ状況を確認し、事業所の特徴や受け入れ状況をあらためて共有します。
Q3. ハローワーク以外にはどのような集客チャネルがありますか?
A. 基幹相談支援センター、市町村の障がい福祉担当窓口、特別支援学校などがあります。チャネルごとの役割は就労継続支援A型 利用者集客の完全ガイドで解説しています。
4. まとめ
- A型の利用者集客では、ハローワークの専門援助部門を通じて、広告費をかけずに求職者へ情報を届けられます。
- 事前準備、求人票登録、状況共有を継続し、担当者との関係を作ります。
- 求人票は「仕事内容を具体的に」「事業所の画像を登録する」「賃金を明示する」の3点を押さえます。
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著者プロフィール
杉本 悠飛 (Yuhi Sugimoto)
株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / 株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者
障がい福祉特化の動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げ、累計1,000社以上への導入を支援。株式会社テクキャリ(就労継続支援A型事業所)の取締役として、サビ管配置・個別支援計画作成・モニタリング・運営指導対応の実務知見を持つ。
集客の入口を整えたら、受け入れ後の支援品質をそろえる仕組みへ
ハローワークとの連携や求人票を整えた後は、利用開始後の支援品質を事業所内でそろえることも大切です。ウェルビーラーニングの動画研修を活用し、職員が共通して学ぶ機会を作る方法があります。動画だけで完結させず、事業所固有のルールや利用者ごとの支援は、対話や実践と組み合わせて補ってください。
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