
公開日: 2026-11-02 / 更新日: 2026-11-02 / 著者: 杉本 悠飛 (株式会社フェアテクノロジーズ 取締役・株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者) / 想定読了時間: 約10分
対象読者: 障がい福祉事業所の支援員・サービス管理責任者・管理者(支援記録の書き方や確認方法を整えたい方)
この記事のポイント
- 支援記録とは、日々の支援で起きた事実と、その場での判断・対応・次回の支援を残し、チームで支援をつなぐための記録です。
- 個別支援計画は目標と支援の設計、支援記録は日々の事実とモニタリングの材料です。記録は計画そのものの代わりではありません。
- 良い支援記録は「事実・解釈・対応・次回の支援」の4要素で整理すると、主観や決めつけを減らし、読み手が次の支援を考えやすくなります。
支援記録(ケース記録)とは、利用者への支援で確認した事実、そこから考えたこと、実施した対応、次回に引き継ぐ支援を、後から読み返せる形で残す記録です。
支援記録の4要素チェックリスト
| 要素 | 書く内容 | 確認する問い |
|---|---|---|
| 事実 | いつ、どこで、誰が、何を見聞きしたか | 他の職員が読んでも同じ場面を想像できるか |
| 解釈 | 事実から考えられる状態や背景 | 事実と推測を分けて書いているか |
| 対応 | 職員が行った声かけ・調整・連携 | 誰が何をしたか分かるか |
| 次回の支援 | 次に確認すること・試すこと・引き継ぎ | 次の職員が行動に移せるか |
1. 支援記録とは何か。個別支援計画との違い
支援記録は、支援の場で起きた事実と、その後の判断・対応を日々積み重ね、支援の振り返りや引き継ぎに使うためのものです。
支援記録は、単なる出来事のメモでも、職員の感想文でもありません。利用者の様子を観察した事実と、職員が行った支援を、他の職員が確認できる形で残します。必要に応じて、次の支援で確認することまで書くと、記録がその場限りで終わりにくくなります。
個別支援計画との違いは、次のように整理できます。
- 個別支援計画: 利用者の希望や課題を踏まえ、目標と支援の設計を示すもの
- 支援記録: その日の支援で何が起き、どのような対応をしたかを残し、計画に沿った支援の実施状況や次の検討材料にするもの
個別支援計画の作成手順・目標設定・モニタリング頻度は、サービス種別や事業所の運用により確認事項が異なります。本記事では詳説せず、詳しくは「個別支援計画の書き方 完全ガイド」をご覧ください。
支援記録を書くときは、まず「計画の目標に合わせて、今日どのような事実があったか」を確認します。ただし、計画に合わせようとして、実際には起きていない変化や成果を書き足してはいけません。記録に残すのは、確認できた事実と、その時点での判断・対応です。
2. 良い支援記録の4要素と書き方
2-1. 事実:見たこと・聞いたことを具体的に書く
事実の欄には、評価を加えず、いつ・どこで・何があったかを具体的に書きます。
「落ち着かなかった」「やる気がなかった」といった評価語だけでは、何が起きたのかが読み手に伝わりません。次の項目を確認すると、事実を書きやすくなります。
- 時刻または時間帯
- 場所や活動
- 利用者の発言や行動
- 職員の声かけや周囲の状況
- 支援の前後に確認できた変化
発言は、長い会話をそのまま転記するのではなく、支援上必要な範囲で要約します。利用者の実名や、個人を特定できる情報を記事や共有資料に書く必要はありません。事業所内の記録でも、目的に必要な情報に絞り、個人情報の取り扱いルールに従います。
2-2. 解釈:事実と推測を分けて書く
解釈は、事実から考えた状態や背景を「可能性」として整理し、断定しないことが基本です。
例えば、「本人はわざと無視した」と書くと、本人の意図を確認しないまま決めつける表現になります。「声かけに返答がなかった。周囲の音や質問の内容が影響した可能性があるため、次回は場所と伝え方を変えて反応を確認する」のように、事実と仮説を分けます。
解釈に入れるとよいのは、次のような内容です。
- どのような環境やタイミングが影響した可能性があるか
- 本人の表情・発言・行動から確認できる状態
- まだ分からず、次回に確認したいこと
「〜と考えられる」「〜の可能性がある」「現時点では判断できない」といった言葉を使うと、仮説であることが伝わります。解釈は結論ではなく、次の支援を考えるための一時的な見立てです。
2-3. 対応:職員が何をしたかを残す
対応には、職員が実施した声かけ・環境調整・情報共有・相談を、順番が分かるように書きます。
「見守った」だけでは、どの距離で何を確認したのかが分かりません。「本人から2メートルほど離れ、他の利用者との接触がないことを確認した」「選択肢を二つ示し、本人が指差した方を選んだ」のように、支援の行為を具体化します。
対応を書くときは、次の順番が使えます。
- その場で行ったこと
- 利用者の反応
- 他職員や関係者へ共有・相談したこと
- 共有後に決まったこと
対応が複数ある場合も、実施していないことを「実施した」と書かないようにします。判断を保留した場合は、「管理者へ相談し、次回のミーティングで確認することにした」と、その状態を残します。
2-4. 次回の支援:次の職員が動ける形にする
次回の支援には、次に確認する場面・試す方法・相談先を一つ以上書き、抽象的な申し送りで終わらせないことが大切です。
「様子を見る」だけでは、何を見ればよいのかが曖昧です。「次回は活動開始前に予定を一つずつ伝え、反応を確認する」「同じ時間帯に水分摂取の希望を聞く」のように、次の支援を行動に置き換えます。
次回の支援に含める項目の例は、次のとおりです。
- 次に確認する時期や場面
- まず試す声かけや環境調整
- 変化があった場合の相談先
- チームで共有する必要がある事項
- 個別支援計画や支援方法を見直す必要性の確認
計画の変更や重要な判断を支援記録だけで決めるのではなく、事業所の役割分担や相談経路に沿って、サービス管理責任者や管理者などと確認します。
3. 支援記録を書く5つの手順
支援記録は、支援が終わってから記憶だけでまとめるのではなく、事実を先に押さえ、4要素の順に短く整理すると書きやすくなります。
手順1:時刻と場面を先に書く
最初に「いつ・どこで・何の場面か」を記入します。時間が正確に分からない場合は、記録のルールで認められる範囲で「昼食後」「活動終了前」などとし、実際より精密な時刻を作らないようにします。
手順2:見聞きした事実を箇条書きにする
まずは評価や理由を入れず、発言・行動・周囲の状況を箇条書きにします。発言は必要な範囲で要約し、推測と混ぜません。
手順3:解釈は「可能性」として一文にする
事実を読み返し、背景として考えられることを一つに絞ります。情報が足りない場合は、無理に理由を付けず「現時点では判断できない」と書いて構いません。
手順4:対応と反応を順番に書く
職員がどのように関わり、その結果、利用者にどのような反応があったかを書きます。反応が分からない場合も「記録時点では変化を確認できず」と、確認できた範囲で記録します。
手順5:次回に確認することを一つ決める
次の職員が迷わないよう、「次回は何を試すか」「どの変化があれば相談するか」を一つに絞ります。記録を長くすることより、次の支援につながる情報を残すことを優先します。
支援記録の基本テンプレート
そのまま事業所の様式に合わせて調整できる型です。
【日時・場面】
YYYY年MM月DD日 HH:MMごろ/場所・活動:
【事実】
見聞きしたこと、本人の発言、周囲の状況:
【解釈】
事実から考えられること。未確認の点は可能性として記載:
【対応】
職員が行った声かけ・環境調整・共有・相談:
【次回の支援】
次に確認する場面、試す方法、必要な相談先:
4. 支援記録の例文:4つの場面
例文は、4要素を分けて書くと、サービス種別が異なっても支援の経過を共有しやすくなります。
以下はすべて架空の設定です。実際の記録では、事業所の様式・個人情報管理ルール・サービス種別の運用に合わせて調整してください。
例1:日中活動の場面
架空例:活動の切り替えで迷いが見られた場合
- 事実: 10時20分、作業室で片付けの案内をした。本人は机上の道具を見たまま、約2分間動かなかった。職員が「片付ける場所は箱と棚のどちらにしますか」と聞くと、本人は棚を指差した。
- 解釈: 一度に複数の手順を示すより、選択肢を絞った方が次の行動を選びやすい可能性がある。活動終了の合図だけでは、次に何をするか分かりにくかった可能性もある。
- 対応: 職員は片付ける場所を二つの選択肢で示し、本人が指差した棚を確認した。本人が道具を棚へ移した後、「ここまでで大丈夫です」と伝えた。
- 次回の支援: 活動終了の5分前に、終了後の手順を一つずつ伝える。選択肢を示した際の反応を確認し、同じ方法が合うか記録する。
例2:生活場面
架空例:生活リズムに関する希望を確認した場合
- 事実: 19時10分、共有スペースで夕食後の予定を確認した。本人は「すぐには部屋に戻らない」と話し、窓際の椅子に座った。職員が休憩場所と時間を確認すると、本人は「10分」と答えた。
- 解釈: 夕食後に一人で過ごす時間を確保したい希望がある可能性がある。理由や必要な配慮は、本人への確認が必要で現時点では判断できない。
- 対応: 職員は10分後に声をかけることを本人と確認し、共有スペースの安全を確認した。10分後に声をかけると、本人は自室へ移動した。
- 次回の支援: 夕食後の予定を本人に確認し、休憩の希望がある場合は時間と場所を相談する。希望の内容を決めつけず、本人の言葉で確認する。
例3:就労場面
架空例:作業手順の確認を求められた場合
- 事実: 13時40分、作業台で部品の仕分け中、本人から「次はどれですか」と質問があった。職員が見本を一つ示すと、本人は同じ箱へ部品を入れた。3個続けて同じ手順で作業できた。
- 解釈: 手順を口頭だけでなく見本で示すと、作業を始めやすい可能性がある。作業全体を理解したかは、この記録だけでは判断できない。
- 対応: 職員は見本を一つ示し、本人が行った部品の分類を確認した。次の工程へ移る前に、本人へ確認のタイミングを伝えた。
- 次回の支援: 作業開始時に見本を提示し、最初の数個を一緒に確認する。質問があったときは、本人が自分で確認できる表示方法も検討する。
例4:送迎の場面
架空例:乗車前に予定変更を伝えた場合
- 事実: 16時05分、送迎車への乗車前に、通常と異なる順番になることを伝えた。本人は「いつもと違う」と話し、玄関前で立ち止まった。職員が変更点を一つずつ説明すると、本人は乗車した。
- 解釈: 予定の変更点をまとめて伝えるより、変更する内容を一つずつ示した方が確認しやすい可能性がある。変更への不安の程度は、本人への追加確認が必要である。
- 対応: 職員は変更点を紙に書いて示し、乗車後の順番を確認した。本人が乗車した後も、次の停車先を短く伝えた。
- 次回の支援: 送迎順の変更がある場合は、乗車前に変更点と次の予定を一つずつ伝える。本人が確認しやすい表示方法についてチームで相談する。
このように、利用者を評価する言葉ではなく、確認できた行動と支援の経過を書きます。個人が特定される実名・住所・詳細な生活情報は、記事の例文に使いません。事業所内でも、支援に必要な範囲を超えて共有しないことが大切です。
5. 支援記録のNG例と改善例
NG例を直すときは、評価や決めつけを、観察できる事実と次の確認行動へ置き換えます。
NG例1:主観語だけで状態を決める
NG例: 「今日は不安定で、やる気がなかった。」
改善例: 「9時50分、活動開始の案内後、本人は椅子に座ったまま約3分間、作業道具に触れなかった。職員が開始時刻を紙で示すと、本人は道具を一つ手に取った。」
「不安定」「やる気がない」は、何を見てそう判断したのかが分かりません。表情・発言・行動・時間などに分けて書きます。
NG例2:本人の意図を決めつける
NG例: 「わざと返事をしなかった。」
改善例: 「14時15分、職員が正面から声をかけたが返答はなかった。1分後に名前を呼び、短い質問に変えると、本人はうなずいた。聞こえ方や周囲の音の影響は未確認。」
本人の意図や性格を推測で確定せず、次回に確認できる方法を残します。
NG例3:時間が曖昧すぎる
NG例: 「しばらくして落ち着いた。」
改善例: 「昼食後の12時45分ごろ、声量が大きくなった。職員が別室で休むか確認すると本人は別室を選び、約10分後に共有スペースへ戻った。」
正確な時刻が分からない場合は、無理に分単位で書かず、事業所の記録ルールに沿って時間帯を示します。後から確認できる情報がある場合は、その情報と整合するように記入します。
NG例4:対応が抽象的
NG例: 「適切に支援した。様子を見る。」
改善例: 「本人の選択肢を二つ示し、本人が選んだ場所へ移動できるよう通路を空けた。次回は活動開始前に予定を一つずつ伝え、選択肢への反応を確認する。」
「適切」「丁寧」「様子を見る」は、読み手によって意味が変わります。職員の行動と、次に確認することへ分解します。
職員間で支援記録の書き方をそろえる研修に、障がい福祉に特化した動画研修「ウェルビーラーニング」をご活用いただけます。サービス内容は資料でご確認ください。
6. 支援記録は運営指導・虐待防止・事故予防でどう使われるか
支援記録は、日々の引き継ぎだけでなく、支援の事実や対応を振り返り、事業所の運用を確認する材料として使われることがあります。
運営指導での確認に備える
厚生労働省が公表する「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」(令和8年6月)では、運営指導は「確認項目及び確認文書」に基づき、関係書類の閲覧と関係者への面談で行うとされています。また、個別支援計画やサービス提供記録などが作成され、それに基づいてサービスが提供されているかという一連の流れ(ケアマネジメント・プロセス)に重点を置いて確認する考え方が示されています。支援記録が確認対象となる範囲や見られ方は、サービス種別・自治体・個別の運営指導によって異なる場合があります。
日々の記録では、次の3点をそろえておくと、支援の経過を説明しやすくなります。
- いつ、どの場面で、どのような支援を提供したか
- 利用者の反応と、職員が行った対応は何か
- 必要な共有・相談・次回対応がどのように引き継がれたか
整備・保存すべき記録は、基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)でサービス種別ごとに定められています。例えば療養介護では、療養介護計画、サービスの提供の記録、身体拘束等の記録、苦情の内容等の記録、事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録などが挙げられています。また、事業所が従う基準は都道府県等の条例で定めることとされているため(障害者総合支援法第43条)、国の基準省令および自治体条例、事業所規程を確認してください。
虐待防止の振り返りに使う
厚生労働省の「障害者福祉施設等における障害者虐待の防止と対応の手引き」(令和6年7月)では、虐待の未然防止や発生時の対応、再発防止に関する考え方が示されています。支援記録は、虐待の有無を職員だけで判定するためのものではなく、気になる言動や支援場面を事実として共有し、必要な相談や確認につなげる材料です。
例えば、「強い口調だった」とだけ書くのではなく、「職員が利用者に対して『早くして』と声を上げた。利用者は手を止めた。直後に別職員が交代し、管理者へ共有した」のように、発言・反応・対応を分けて残します。障害者福祉施設従事者等による虐待を受けたと思われる障がい者を発見した場合は、障害者虐待防止法第16条により、速やかに市町村へ通報しなければなりません。通報先や事業所内の手順は自治体の案内と事業所の規程を確認し、記録の書き方だけで判断を完結させないでください。
事故予防・ヒヤリハットに使う
前述の虐待防止の手引きでは、ヒヤリハット事例を早い段階で把握・分析し、適切な対策を講じることが必要とされています。また、自治体の報告基準に該当する事故が起きた場合は、所管自治体等へ事故報告書を提出します。対象・提出先・期限は自治体およびサービス種別ごとの案内を確認してください。基準省令でも、事故の状況及び事故に際して採った処置について記録することが定められています。事故報告書やヒヤリハット報告書と、日々の支援記録の役割・様式は事業所により異なるため、同じ様式に無理にまとめないようにします。
事故やヒヤリハットがあった場合は、発生時刻・場所・状況・対応・連絡・再発防止の検討を、事業所の手順に沿って整理します。支援記録には、通常の支援の経過と、事故報告等へ引き継いだ事実を残す場合があります。報告先や期限などの制度上の扱いは、自治体・サービス種別により異なる場合があるため、最終判断は所管自治体または専門家に確認してください。
7. 支援記録を時短する方法
記録を短時間で整えるには、入力欄を4要素に分け、よくある場面の表現をテンプレート化する方法が考えられます。
入力欄を4要素に固定する
自由記述だけにせず、「事実」「解釈」「対応」「次回の支援」の入力欄を分けます。どの欄に何を書くかが共有されると、記録を書く職員によるばらつきを抑えやすくなります。
よくある場面の型を用意する
「活動の切り替え」「予定変更」「体調や気分の変化」「送迎時の申し送り」など、頻出する場面ごとに確認項目を作ります。ただし、型を埋めることが目的にならないよう、実際に確認できた内容だけを書きます。
AIは下書きの補助にとどめる
音声メモや箇条書きから文章を整える場合でも、個人を特定できる情報や要配慮個人情報を入力せず、事業所が承認した環境・手順に限って利用してください。事業所のルールに従う、出力された文章を職員が事実と照合する、という確認も必要です。AIを使った福祉記録の下書きについては「福祉現場で使えるChatGPTプロンプト」で扱っています。本記事では、具体的なプロンプトの詳説はしません。
AIが書いた文章をそのまま正式な記録にするのではなく、元のメモ・時刻・本人の発言・実施した対応と照合し、推測や過剰な評価が混ざっていないかを確認します。
8. 研修で支援記録の書き方をそろえる
記録の質を底上げするには、正解の文章を暗記させるより、同じ事例を4要素に分けて書き、読み合わせする短い研修を取り入れる方法があります。
30分程度の記録研修なら、次の流れで実施できます。
- 事実・解釈・対応・次回の支援の違いを説明する。
- 主観語や決めつけを含む短いNG例を配る。
- 職員が事実と推測を分けて改善例を書く。
- 2人以上で読み合わせ、次の職員が動けるかを確認する。
- 自事業所の様式で、翌日から使う一つの表現ルールを決める。
研修後は、実際の記録を個人評価の材料として一律に採点するのではなく、共通して迷った表現を匿名化して、次の研修やマニュアルの見直しに使います。記録の誤りを責める場ではなく、支援を安全につなぐために確認する場として設計することが大切です。
職員研修の計画や継続的な運用は「福祉の研修計画の立て方」も参考にできます。記録研修を動画や短時間の確認と組み合わせる方法を検討する場合は、記事末尾の資料案内もご覧ください。
よくある質問
Q1. 支援記録と個別支援計画の違いは何ですか?
A. 個別支援計画は目標と支援の設計、支援記録は日々の事実とモニタリングの材料です。計画に沿った支援の実施状況や、次に確認することを記録します。
Q2. 支援記録は何から書けばよいですか?
A. まず日時・場面と、見聞きした事実を書きます。その後に解釈、対応、次回の支援を分けると、主観と事実が混ざりにくくなります。
Q3. 「落ち着かない」「問題行動」などの表現は使えますか?
A. その言葉だけでは場面が伝わりにくいため、発言・行動・時間・周囲の状況に置き換えます。必要なら、用語の意味を事業所内でそろえます。
Q4. 支援記録に個別支援計画の内容を毎回書く必要がありますか?
A. 指定障害福祉サービスの基準省令では、サービスを提供した際に、提供日・内容その他必要な事項を記録することが定められています。毎回の具体的な記載項目は事業所の様式や自治体の案内によって異なるため、計画との関係を確認できる必要な情報を、事業所の規程と所管自治体の案内に沿って記録してください。
Q5. 支援記録をAIで作成してもよいですか?
A. AIは下書きの補助にとどめ、個人を特定できる情報や要配慮個人情報を入力せず、事業所が承認した環境・手順に限って利用します。出力は職員が事実・時刻・対応を照合してから使います。事業所の情報管理ルールや契約上の取り扱いも確認してください。
Q6. 支援記録は運営指導で確認されますか?
A. 厚生労働省の「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」(令和8年6月)では、個別支援計画やサービス提供記録などに基づいてサービスが提供されているかという一連の流れを確認するとされています。確認される記録の範囲や方法は、サービス種別・自治体・運営指導の内容で異なる場合があるため、所管自治体の案内や確認項目を確認し、最終判断は所管自治体または専門家に相談してください。
まとめ
- 支援記録とは、日々の支援で確認した事実と、判断・対応・次回の支援を残すケース記録です。
- 個別支援計画は目標と支援の設計、支援記録は日々の事実とモニタリングの材料です。
- 良い支援記録は「事実・解釈・対応・次回の支援」の4要素に分けると、読み手が支援の経過を追いやすくなります。
- 「不安定」「わがまま」「適切に対応」などの主観語は、観察できる行動・職員の対応・次回に確認することへ置き換えます。
- 運営指導・虐待防止・事故予防に関わる記録の範囲や保存などは、サービス種別・自治体・記録の種類で異なるため、公式資料と事業所の規程を確認してください。
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参考文献
- 厚生労働省「障害福祉分野における指導監督」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kanriseibi (2026年10月26日閲覧)
- 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知「指定障害福祉サービス事業者等の指導監査について」(令和8年6月8日 障発0608第1号) https://www.mhlw.go.jp/content/260608-0.pdf
- 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課監査指導室「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」令和8(2026)年6月(上記通知の別添2) https://www.mhlw.go.jp/content/260609-2.pdf
- 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171 (2026年10月26日閲覧)
- 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)第43条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123 (2026年10月26日閲覧)
- 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課地域生活・発達障害者支援室/こども家庭庁支援局障害児支援課「障害者福祉施設等における障害者虐待の防止と対応の手引き」令和6年7月 https://www.mhlw.go.jp/content/001282170.pdf (掲載ページ: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/gyakutaiboushi/tsuuchi.html )
- 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(平成23年法律第79号)第16条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC1000000079 (2026年11月2日閲覧)
著者プロフィール
杉本 悠飛 (Yuhi Sugimoto)
株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / 株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者
障がい福祉特化の動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げ、ご契約中の法人1,000社・アクティブユーザー20,000名以上(2026年9月時点・当社調べ)への提供に携わる。株式会社テクキャリ(就労継続支援A型事業所)の取締役として、サビ管配置・個別支援計画作成・モニタリング・運営指導対応の実務知見を持つ。
免責事項
制度・法令・通知の解釈や記録の保存、報告・通報の扱いは、サービス種別や自治体により異なる場合があります。最新の内容は所管自治体の公式資料をご確認いただき、個別の判断が必要な場合は自治体または専門家へご相談ください。
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- 職員間で支援記録の書き方をそろえる研修に、障がい福祉に特化した動画研修「ウェルビーラーニング」をご活用いただけます。
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