【コピペで使える】障がい福祉のChatGPTプロンプト例5選|支援記録・個別支援計画の下書きを効率化

【コピペで使える】障がい福祉のChatGPTプロンプト例5選|支援記録・個別支援計画の下書きを効率化

公開日: 2026-08-10 / 更新日: 2026-08-10 / 著者: 杉本 悠飛 (株式会社フェアテクノロジーズ 取締役・株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者) / 想定読了時間: 約8分

対象読者: 障がい福祉事業所のサービス管理責任者・管理者・現場リーダー・IT担当

この記事のポイント

  • 生成AIを試すなら、まずは実在の利用者と関係のない架空データで、書類の下書き・整理・整形から始めるのが現実的です。
  • 出力の使いやすさは指示文(プロンプト)の書き方に左右されます。役割・背景・出力形式を具体的に伝えると、目的に近い出力を得やすくなります。
  • 実在する情報を業務で扱う場合は、氏名を置き換えたかどうかだけで判断せず、事業所の個人情報保護規程と、組織として承認した環境・手順に沿って進めてください。

1. プロンプトとは何か — 出力を左右する3要素

プロンプトとは、ChatGPTなどの生成AIに与える「指示文」のことです。同じ内容を頼んでも、指示の書き方によって出力の使いやすさは変わります。

現場から「AIを試したが、当たり障りのない文章しか出てこなかった」という声をよく聞きます。原因の一つとして考えられるのが、指示の与え方です。次の3要素を具体的に示すと、目的に近い出力を得やすくなります。

  1. 役割を与える — 「文章の整理を補助するアシスタントとして」など、してほしい作業の立場を指定する
  2. 背景を伝える — 状況・これまでの経緯・本人の希望を箇条書きで渡す
  3. 出力形式を指定する — 「表形式で」「ニーズ→長期目標→短期目標→支援内容の4階層で」など

ただし、手直しの量や作業時間は、業務内容・入力する情報・利用するサービスによって異なります。

AI活用の全体像(どの業務から着手するか、現場でどう定着させるか)は、障がい福祉のAI活用5領域で解説しています。


2. 障がい福祉で使えるプロンプト例 5選

以下のプロンプト例に登場する情報は、すべて実在の人物とは関係のない架空の例です。

まずは架空データで手順を固めてください。実在する利用者の情報は、氏名を置き換えただけでは入力しないでください。業務で実在情報を扱う場合は、事業所の個人情報保護規程、利用目的や本人同意などの法的根拠、提供元の契約条件(保存期間・学習利用・管理者設定)を確認し、組織として利用を承認した環境に限定してください。

プロンプト1. 個別支援計画の下書き作成

あなたは文章の整理を補助するアシスタントです。
以下の情報だけを使って、個別支援計画の原案づくりを補助してください。
不明な事項は補完せず「確認が必要」と記載してください。
法令への適合性や支援内容の妥当性は判断しないでください。

# 情報(実在の人物とは関係のない架空例)
- 年代: 30代
- 状況: 精神疾患があり通院・服薬を継続。状態は落ち着いている
- これまでの経緯: 前の事業所で対人関係の負担が大きく通所が続かなかった
- 本人の希望: 「長く働き続けたい」
- 家族の希望: 安定した収入

# 出力形式
- ニーズ → 長期目標(1年) → 短期目標(3か月) → 具体的支援内容 の4階層
- 長期・短期目標は「観察できる行動」で記載
- 支援内容は誰が・いつ・どのように行うかまで具体的に

ポイント: 出力はそのまま正式な個別支援計画として扱えません。サービス管理責任者が、該当サービスの指定基準や事業所の手順に従い、アセスメント、本人の意向、個別支援会議での検討、本人・ご家族への説明などを経て作成・確定してください。計画書の書き方そのものは個別支援計画の書き方 完全ガイドにまとめています。

プロンプト2. モニタリング記録の材料整理

以下の記録を読み、次の3点に整理してください。
達成/未達成の判定は行わないでください。

1. 短期目標に関係する事実・記述の抽出
2. 達成状況を検討するために不足している情報
3. 本人に確認すべき事項

# 記録
[まずは実在個人と関係のない架空の記録で試す。
 実在する記録を扱う場合は、事業所が利用を承認した環境・手順でのみ扱い、
 氏名等だけでなく、診断名・経歴・家族情報・固有の出来事など、
 本人を推測できる情報を含めて入力可否を確認する]

ポイント: AIの整理結果を、評価の根拠や正式な記録として使わないでください。達成状況の評価や計画の見直しは、面接や継続的なアセスメントを含む過程であり、要約だけでは判断できません。整理された材料は、会議で確認すべき論点を洗い出すために使います。

プロンプト3. 会議メモの議事録化

以下の会議メモを、議事録の形に整えてください。

# 出力形式
- 日時・出席者・議題
- 議題ごとに「議論内容」「結論」「次回までのアクション(担当者・期限)」
- 次回開催予定

# 会議メモ(走り書き)
[メモをそのまま貼る。個人が特定できる記述は含めない]

ポイント: 走り書きから議事録への変換は、活用を検討しやすい作業の一つです。「結論」と「アクション」を必ず立てさせると、後から読み返せる形になります。

プロンプト4. 説明文の「やさしい日本語」への書き換え

以下の説明文を、知的障がいのある方が理解しやすい「やさしい日本語」に書き換えてください。

# やさしい日本語のルール
- 1文を短く(30字以内)
- 漢字にはふりがなをつける
- 専門用語は使わず、身近な例で説明する
- 主語と述語を明確にする

# 元の文
[説明したい文章を貼る]

ポイント: やさしい日本語版は、理解を補助する説明資料として使い、正式な重要事項説明書・契約書の代わりにはしないでください。要約の過程で、権利・義務、料金、解約、苦情申立てなどの条件が欠落したり意味が変わったりすることがあります。文書管理の責任者が原文と照合してください。

プロンプト5. ヒヤリハット報告の論点整理

以下の報告を読み、次の3点に整理してください。
原因の断定や、虐待に該当するかどうかの判断は行わないでください。

1. 繰り返し現れている記述のパターン(時間帯・場面)
2. 共通していそうな記述の傾向
3. 委員会で確認すべきと考えられる論点

# 報告(実在個人と関係のない架空データ)
[件名と概要の一覧を貼る]

ポイント: 架空データで論点整理の型を検討する用途に向いています。実際のヒヤリハット報告を扱う場合は、事業所の承認済み環境・手順に従い、AIが示した要因を事実や虐待該当性の判断として扱わず、委員会が原記録を確認して検討してください(虐待防止研修 完全ガイド)。


3. 4つの原則 — 事業所のルールとして共有したいこと

生成AIを福祉現場で使うとき、事業所として決めておきたい原則が4つあります。

原則1. 実在する利用者の情報は、承認された環境と手順でのみ扱う

診断名、病歴、服薬、心身の機能の障がいに関する事実などは、特定の個人に関する情報である場合、要配慮個人情報に該当します。また、氏名を削除しても、他の情報と照合して本人を識別できる場合は個人情報に該当しえます。

入力してよいかどうかは、削除した項目だけでは判断できません。利用目的、再識別の可能性、契約条件、学習利用の有無、保存期間、アクセス管理、再委託や国外での取り扱いまで含めて、事業所として判断してください。判断に迷う場合は専門家に確認してください。

原則2. 法令解釈をAIに任せきりにしない

「この対応は虐待にあたるか」「この身体拘束は3要件を満たすか」といった判断について、生成AIの回答を唯一の根拠にしないでください。法令、行政通知、自治体の手引き、事業所の手順に沿って管理者等が対応し、通報・報告が必要と考えられる場合は、AIへの相談で止めず、所管自治体や指定の相談・通報窓口へ連絡してください。個別の法的判断は弁護士等にご確認ください。

原則3. AIの出力をそのまま記録にしない

個別支援計画やモニタリング記録は、サービス管理責任者が定められた手続を経て作成する書類です。下書きの補助に生成AIを使う場合も、事業所の個人情報保護規程、利用するサービスの契約条件、組織内の承認手順に従ってください。生成結果のみで計画を作成せず、本人の言葉や観察した事実といった個別性は、担当者自身が書き加えてください。

原則4. 入力内容の扱いを、契約プランごとに確認する

生成AIのサービスは、入力した内容の保存期間・学習利用・管理者設定などがサービスやプラン、設定によって異なり、変更される場合もあります。事業所として使う前に、提供元の最新の利用規約とプライバシー情報、管理機能を確認してください。


FAQ

Q1. どの生成AIを使えばよいですか?

A. 生成AIサービスには、ChatGPT(OpenAI)、Claude(Anthropic)、Gemini(Google)などがあります。機能、契約条件、入力情報の保存・学習利用、管理者設定は、サービス・プラン・設定によって異なり、変更される場合があります。名称や一般的な評判だけで選ばず、導入時点の公式規約・プライバシー情報・管理機能をご確認ください。

Q2. AIで作った個別支援計画は、そのまま提出してよいですか?

A. そのまま正式な計画として扱うことはできません。サービス管理責任者が、該当サービスの指定基準や事業所の手順に従い、アセスメント、本人の意向、個別支援会議での検討、本人・ご家族への説明などを経て作成・確定してください。生成AIの出力は、承認された利用環境での補助的な下書きにとどめます。

Q3. 個人情報を入力しなければ、無料のプランでも大丈夫ですか?

A. 架空データや、個人が特定できない情報だけを扱う場合でも、事業所として継続的に使うのであれば、入力内容の取り扱いを規約で確認でき、管理者設定ができるプランを選ぶことをおすすめします。プランごとの条件は変わるため、導入前に提供元の最新情報をご確認ください。

Q4. 職員によってAIの使い方に差が出てしまいます。どうすればよいですか?

A. プロンプトを個人任せにせず、事業所として「この業務にはこの指示文を使う」という型を共有する方法があります。あわせて、入力してよい情報・いけない情報の線引きを研修で揃えておくと、使い方のばらつきの解消につながります。


4. まとめ

  • 活用を検討しやすいのは「下書き・要約・整形」です。まずは実在情報を含まない架空データで、手順を固めるところから始めてください。
  • プロンプトは役割・背景・出力形式を具体的に示すと、目的に近い出力を得やすくなります。効果は業務や入力内容によって異なります。
  • 実在情報は承認された環境と手順で扱う・法令解釈は人が確定する・記録はサービス管理責任者が定められた手続で仕上げる・入力内容の扱いを規約で確認する。この4原則を事業所のルールとして共有してください。

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著者プロフィール

杉本 悠飛 (Yuhi Sugimoto)

株式会社フェアテクノロジーズ 取締役 / 株式会社テクキャリ 取締役 / ウェルビーラーニング事業責任者

障がい福祉特化の動画研修サービス「ウェルビーラーニング」を立ち上げ、累計1,000社以上への導入を支援。株式会社テクキャリ(就労継続支援A型事業所)の取締役として、サビ管配置・個別支援計画作成・モニタリング・運営指導対応の実務知見を持つ。


書類の時間を見直したら、次は職員が育つ仕組みへ

プロンプトや確認手順を整えることで、書類の下書き作業を効率化できる場合があります。効果は業務内容や手直しの量によって異なるため、まずは個人情報を含まない業務で試し、作業時間を実測してみてください。ウェルビーラーニングは、障がい福祉事業所で必要となる研修や実務研修の学習を、1本5分の動画でシフトの合間に進められるeラーニングです。各法令・指定基準上必要な実施方法、対象者、記録等は、研修ごとの要件をご確認ください。

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